手賀沼。現代に残った香取海の欠片です。古代の巨大な水域・香取海については以下の霞ヶ浦河川事務所のウェブサイトの説明などをどうぞ。
手賀沼に接する台地にある水神山古墳に行ってみた。今もきれいに前方後円形が残っていて、はっきりしたくびれもあり、さほど大きくはないけれど見た目がよろしいです。
香取海が存在していた時代には手賀沼から流山あたりを通って江戸川~東京湾へ至る交通路が想定されるそうで(†)、この場所は香取海と東京湾、2つの大きな水上交通路が交わる要所だったかもしれない。要所であればこそ前方後円墳に葬られる人も、前方後円墳を造る人も、ここに暮らしていたわけですね。
現代の手賀沼は水上交通というほどのものはもはやないけれど、ヨットに乗っている人はいる。当時もこんな感じで船が行き交っていただろうか。
〔参考文献〕
†山田俊輔(2015)「「常総の内海」をめぐる古墳時代中期社会の研究」『考古学論攷II』千葉大学文学部考古学研究室