このところスパイファミリーのアニメを見ている。おもしろいです。職場の若手がよく話題にしていて、どうも流行っているらしいというので見始めたのだけれど、やはり流行るものは流行るだけの面白さがあります。鬼滅の刃と同じくです。
この画像は、そのスパイファミリーに登場するヨルさんというキャラクターなんですが、古墳が好きな人は(もしかしたら)ビビッと来るポイントがあります。金色で円錐形の耳飾り。
日本の古墳時代と並行する、韓半島(朝鮮半島)の三国時代の垂飾付耳飾によく似たものがあります。半島南部の伽耶で作られたもので、金製で円錐形の垂飾が付いている。ヨルさんのには中間飾りがないけれど、垂飾だけを見ればほとんど同じと言って良い(のか?)。
古墳時代の日本にも持ち込まれていて、例えば江田船山古墳出土の金製耳飾にも付いている。
それにしても三国時代の耳飾りはデザインが洗練されています。日本の古墳時代も含め、この時代のデザインの良さというのは埴輪のデフォルメみたいな古拙の良さが主であるように思われるのだけれど、耳飾りに関しては現代的である。
東京国立博物館の東洋館に同時代の耳飾りがさほど多くないながらも展示されていて、小さくて地味っぽいけどよく見ると中々の出来だとわかります。
実際にこれを着けている人を想像してみると、結構いい感じではありませんか?
追記(2023.03.20)
2023年3月19日現在、トーハクの平成館考古展示室で熊本県繁根木古墳出土の垂飾付耳飾が展示されています。江田船山古墳出土品の並びです。こちらも優品ですね。
〔参考文献〕
高田貫太(2021)『アクセサリーの考古学 倭と古代挑戦の交渉史』吉川弘文館