水玉模様の壺

青梅へ行った。暇な三連休なので一日くらい外出しようと思い、郷土博物館でやっている古墳時代の遺跡の展覧会を見に行ったのである。
霞台遺跡。古墳時代前期の集落の跡。結構大きい遺跡のようだけれど、青梅市内でその時期の古墳はいまのところ見つかっていなさそうで、この集落の偉い人々がどこに墓を造ったのか不明です。
ところで古墳時代の偉い人ってみんな古墳を造ったのだろうか。古墳って目立つし全国に散らばってるのでみんながみんなそうしていたように考えてしまうけれど、国が統一されていない段階でそこまで均質な文化ではなかったかもしれない。まあ、わかんないですけど。以上余談。
展覧会は有名な出土品があるわけではなく出品数も少ないのですが、なかなかいい仕事が見られます。第一にはこの壺。頸部に赤彩の水玉模様がある。水玉!

▲口部から頸部にかけて赤い水玉模様がある。

▲同じ壺を真横から。

最近ちょうど松本で草間彌生の作品を見たばかりでもあり、個人的に水玉はいい感じなのである。しかもロクロが無い時代の作であるためややいびつな丸っこい形。まるで草間彌生のカボチャではないですか。古墳時代人、なかなかモダンでかわいいデザインができるのである。

松本市美術館草間彌生 版画の世界」展の撮影可能ゾーンにて、カボチャ。

ちなみに水玉模様自体はこの遺跡に限った話ではなく、埴輪ではいくつかあります。実際に自分で見たものは保渡田八幡塚古墳にある鹿形埴輪(復元)だけだが、少し調べたところ栃木県の甲塚古墳出土機織形埴輪は水玉模様で復元されているし、福島県の原山一号墳出土埴輪の帽子にも水玉模様があるようだ。ただ壺に彩色の水玉模様があるのは他に見つからなかった。この水玉壺は結構珍品だったりしないだろうか。少なくとも優品ではあると思う。

▲保渡田八幡塚古墳に復元されている埴輪群像。最後尾の鹿に赤い水玉模様がある。

なお、水玉壺以外にも下膨れの壺や、まるっとした壺など、個人的な好みのツボをほどよくつつくような品が出品されていました。無料で入れる小規模な展覧会もあなどれない。

▲ほどよい下膨れの壺。