数字の入った名前って、いいなと思ったの
- 大きな鳥にさらわれないよう(川上弘美、講談社)
古墳時代が終わりに近づくと、それまでは大きな墓を造ることがなかった階層の人々も古墳に葬られるようになり、彼ら多数の墓は各地に古墳“群”として現代に残っている。小さくて、目立たず、学者によって個別のカッコいい名前が付けられている前代までの王墓とは違って、通し番号しかない。
89号さん。
本当の名は何と言ったか。古墳の時代よりも少し後になるけれど、古代の木簡を調べると動物名をそのまま付けたような名前が結構あったらしい。鯨さんとか、犬麻呂さん。鯛さん。その他。
少なくとも彼には、大きな墓を造ってくれる家族か、部下か、仲間がいた。それが真心込めたものか、儀式上仕方なく嫌々やったのかは定かではないけれど。ともかく一緒に暮らす人がいた。
都に出仕した息子が年に一度は墓参りに帰ったりしただろうか。
などと。
ちょうど盆休みなのでそんなことを考えてた。