出雲紀行3 そのほか

3ヶ月経過してなおまとまる気配のない旅行記をまとめるべく箇条書きを採用するに至った。

 

  • 青銅器

出雲といえば青銅器。理由はよく分かんないけど出雲の古代ピープルは青銅器をせっせと土に埋める事業をやっていたらしい。現代になっていっぱい掘り起こされたので古代のよくわかんない事業は現代人にセンセーションを巻き起こしてしまった。出雲大社の横にある古代出雲歴史博物館に大量のコレクションが展示されてて超スゴい。

f:id:hamajiu:20151216225927j:plain

特に壁一面を全部使った銅剣展示を見たら興奮してしばらくそのあたりをうろうろしていた。

f:id:hamajiu:20151216225920j:plain

部屋の真ん中の島に盛りつけられた銅鐸は国宝級の本物が並んでて興奮したので同じくまわりを三周くらいした。

 

大量の銅剣が出土した現場。古代の祭祀をおこなった場所ということになってるけど今は何もない。銅剣を埋めた理由は「儀式」というありきたりなやつの他に「信仰を捨てた」ってのもあるらしくて、どっちかというと二番目のほうがこの場所のひと気のない寂しい感じに合ってるようではある。

f:id:hamajiu:20151216230027j:plain

 

  • 加茂岩倉遺跡

大量の銅鐸が出土した現場。銅鐸発見当時の銅鐸の埋納状況が再現されていて、これがドラえもんの「合成鉱脈の素」に出てくるシーンに似ている。あの道具はドラえもん全45巻の中でも特に好きです。フエルミラーとかも好きだったし、増える系が好きなのかもしれない。

f:id:hamajiu:20151216230107j:plain

 

  • 塩津山墳墓群

古代ピープルのおはか。それだけでも価値があるけど、注目点がもうひとつあって、ずっと切通で走ってきた高速道路がこの場所だけトンネルで通り抜けている。ハイウェイ・アンダー・ザ・墳墓。墳墓は現代の道を変える。古代と現代が潰し合わずに接してる感じがよいのだ。

f:id:hamajiu:20151216230130j:plain

 

  • 大刀 銘「額田部」

他に文字が刻まれた鉄剣で有名なのは埼玉県稲荷山古墳の「杖刀人」と熊本県江田船山古墳の「典曹人」を見たことがあります。いずれにしてもまだ文字で書かれた史料がほとんど無い時代の数少ない文字記録。今から千五百年近く前にも現代と同じ文字を使う人が暮らしていて、古代から現代までちゃんと地続きなんだなあと思える物です。古代だって現代と同じように偉い人がいて、普通の人がいて、変なオジサンとか綺麗なオネーサンとかもいたんです、きっと。人間は長い年月を経てもそんなに変わんないはずです。

f:id:hamajiu:20151216230147j:plain

 

  • 鹿の埴輪

埴輪にしては写実的な造形と奇跡的な壊れ方のおかげで、現代アート的に美しい。八雲立つ風土記の丘資料館の展示物。

f:id:hamajiu:20151216230200j:plain

 

移築古墳なので「ありのまま」「天然」的な有り難みはやや薄くなるけど古墳古墳なのでやはり古墳。石室に入っていいのかどうか思案して周囲を三周くらいしたところで中を覗いてみたら穴の下に踏み台っぽいビール箱が置いてあって、

f:id:hamajiu:20151216230234j:plain

これは入れということだろうと思って入った。壁石がたいへん美しく積まれていて他人の墓ながらずっと入っていてもいいくらい。こんな墓で永眠したい。

f:id:hamajiu:20151216230246j:plain

 

  • 古曽志大谷1号墳

壊されてしまった古墳を復元したということで天然物ではないけどコンクリート造の大阪城名古屋城にみんな楽しそうに登ってることからすると別に史跡って天然物でなくても良いのかもしれない。古墳の葺石がコンクリートできっちり固めて造ってあって青空の下でとても綺麗に見える。周囲の眺めもいかにも天然物にありそうだし、古墳の良さを人工的に作り出したって感じです。こういう方向性の古墳公園はアリだなあと思う。

f:id:hamajiu:20151216230329j:plain

 

以上です。