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噂のコフン・アンダー・ザ・ブリッジ

 赤面山古墳との出会いはめっちゃ唐突に実現してしまった。日本最大級の誉田御廟山古墳を見て、せっかくなので拝んで、そしたら隣にも大きな前方後円墳があるので登ってみて、さらに高速道路を挟んでデカい古墳が見える、こいつはすごいぞ古墳だらけだって思って古墳脇の細い生活道路をチャリで走り抜けたその先で、突如として目に飛び込んできた風景が、まさしくネットで見たソレだった。

 

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 たしか初めて知ったのはデイリーポータルの記事で、なんか調べてたら個人のサイトとかでも結構紹介されてる。「高速道路の高架の下にある」「古墳を潰さないようにわざわざ橋脚の本数を減らしてある」もうこれだけでワクワクです。そんなスゲえ古墳なら一見の価値ありだ。


 ところが今回の古市古墳群巡りのコースには組み込んでなかった。そこは天邪鬼でありひねくれオタク、「カタギが喜ぶようなモン見て同じように嬉しがってちゃいけねえ」ってなわけで、大した古墳オタクでもないのに硬派な玄人のつもりで避けてた。しかし避けようがなかった。なにしろここは古墳群のまっただ中なんだから。東京に行くときは新幹線に乗る、というのと同じように古市巡りでは赤面山の前を通る、のである。たぶん。古墳巡りの大動脈である。


 それで、もう、一目見た瞬間に、ひねくれた考えが全部吹き飛んでしまった。「ウオォこれはすごい」ってなった。古墳がきちんと高速道路の下で命脈を保っている。のみならず、側道は古墳の形にきちんと曲がっているし、そこを通る車が「なんで曲げんねんメンドーやなあ」って具合に速度を落として曲がっていく。千数百年前に造られた、誰かエライ人の墓が、現代人に面倒なことをさせている。すごいすごい。

 

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 この古墳、高架下の側から見るとほんとにただの土盛で、工事の残土と言われてもわかんない。たぶん、残土のせいで側道が曲がってるって思ってる人もいるにちがいない。草が生えてなくてツルっとしてる。各種整備された古墳はいくつか見てきたけれども、こんなにツルっとしてる土盛の古墳は初めて見た。完全に高架下の土って感じだし、周辺の風景に溶け込んでて違和感がない。でもきちんと現代人の動きを「よっこらしょ」って曲げてる。これはすごいことです。

 

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 そうしてしばらく、古室山古墳の裾にチャリを停めて、高架下の古墳を眺めてた。コフン・アンダー・ザ・ブリッジだった。