ちはら台の古墳

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京成千原線ちはら台駅徒歩5分のちはら台公園の中にある古墳広場。ニュータウンの中にありながら前方後円墳を含む古墳が密集しています。等間隔に並ぶ円墳の稜線が波打っていて庭園の一角のような風景であり、古墳が並んでいるというだけでじゅうぶん都市公園の景観として成立している。というか古墳群が山の中にあってもなるほど古墳群だというだけで終わってしまうのだが、都市の内部に取り込まれていることで現代的な意味が加わっているという、そんな感じです。

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▲ほどよい木陰がある。

この広場を含む台地上は旧石器時代から平安時代までの遺跡が密集していて、さらに現代のニュータウンが重層している。千葉県民の万年単位のスクラップ・アンド・ビルドの歴史です。古墳時代だけを見ても前期・中期・後期の各年代の古墳が混在していて、公園の中心にある前方後円墳の草刈11号墳は後期の築造であり、古い古墳N029とN030を破壊した上に築いている。

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▲くびれ部の半壊させられたN030古墳はわずかに現存しているとのことで、左手前の盛り上がりがそれかもしれない。

あるいは草刈5号墳は古い古墳の上にもう一度土を盛り直して新しい古墳にしたという、なんかすごい使い方をしていたらしい。らしいというのは、その5号墳は削平されて既に無い。じつにスクラップ・アンド・ビルド、歴史の流れの中にある。

 

参考文献
(1)千葉県教育振興財団文化財センター編「千葉県教育振興財団調査報告書第567集 千原台ニュータウンXVI―市原市草刈遺跡G区・古墳群(P区)―」平成19年
(2)千葉県文化財センター編「千葉県文化財センター調査報告第479集 千原台ニュータウンXI―市原市草刈遺跡C区・保存区―」平成16年