古墳の形のさまざま。古墳時代の人々は何を考えてこんなもの造ったのかしら。
円であったり四角であったりそれらの組み合わせであったり。またときには周囲に濠をめぐらし水があったりなかったり。濠は古墳の形を縁取っていることもあれば盾形かもしれないし細い濠が何重にもなっていたり。さらにサイドビューも一筋縄ではいかない。そして古墳の横に出っ張る造出し。
群馬の八幡塚古墳もまた目的不明の特殊形態を持っていて、「前方後円墳」「盾形の周濠がある」などは珍しくないのだけれど、その濠の中に円形の島がある。
オシャレ、ともいえる。盾形の周濠の中に小島が浮かんでいる。現代的デザインである。
現地の案内板によるとこの小島(中島と称する)は「祭祀の場」「近親者の埋葬施設」または「明らかになっていない」ということです。
それはそれとして、とりあえず現地で見てみようと思い、桜前線を追いかける一環で行ってみた。行ってみたらここは中々素晴らしい古墳です、葺石と埴輪が全面きれいに復元されてるし、上に登るのも中に入るのも自由だし、菜の花畑があるし、あと馬の埴輪がある。
葺石と埴輪列
上に登るのも……
中に入るのも……
菜の花畑もある。
わあ馬の埴輪かわいい。
まるで古墳のテーマパークです。ワクワクします。
それで、今回は桜前線を追いかける一環だったので桜を撮らなければならないと思って、後円部のてっぺんに立って写真を撮ってみました。北西にある薬師塚古墳や北の土屋文明記念館の桜がほどよく美しい。案内板によるとこの向こう側に榛名山があるらしくて、この日は曇りだったのでもっと晴れてれば見えたのになあと思ってくやしい。あと、なんか思いついたのである。
この中島、火山っぽいのではないか。
北西に榛名山、北東に赤城山。南には山がないけども、関東平野にありながら山に囲まれてる感の強い群馬だから、山って意味ありげですね。特に古墳時代というのは榛名山の最後の活動期にあたるので、古墳を造った人々は噴火する榛名山を間近で見ていたに違いなく、というか火山灰に埋もれた古墳時代人の骨が見つかっていたりする
ので、山に対してはかなりヤバいという思いがあったはずだ。なので、古墳を造るにあたって山のヤバさを首長の偉大さに重ねたとか、首長の偉大さで山を鎮めようとしたとか、そんな想像をしてもいいのかもしれない。
ところで八幡塚古墳の南西には二子山古墳があって、こっちも中島がありますが、埴輪の復元とかはなくて笹が生い茂ってて野良感がある。あと併設のかみつけの里博物館も充実していてオススメスポットです。
(二子山古墳の中島からのサイドビュー)