ぐんまのよあけ

低めの前方部と、細いくびれ部と、長い年月を経てやや崩れてなめらかな曲線になった斜面。古墳に限らずだけど、設計の美しさに年月が程よく加わると発酵食品のように旨味が出てくるのです。前橋八幡山古墳。原形がしっかり残っていて、しかし年月相応にシワ…

ちはら台の古墳

京成千原線ちはら台駅徒歩5分のちはら台公園の中にある古墳広場。ニュータウンの中にありながら前方後円墳を含む古墳が密集しています。等間隔に並ぶ円墳の稜線が波打っていて庭園の一角のような風景であり、古墳が並んでいるというだけでじゅうぶん都市公園…

御殿場の古墳と双子山

土日に限って雨続きの梅雨とそれに続く猛暑で外に出る元気がなくて、エアコンの利いた室内で快適にボケーとする夏です。パソコンを見ていると、Googleマップに表示される古墳が増えてる。おかげで衛星写真で墳丘の様子を観察するのがマアマアな暇つぶしにな…

つらみ/つらつら

つらみ つらいこと。つらい気持ち。(デジタル大辞泉) これまで生きていてつらみを感じていた期間を感じていなかった期間で割ったものをつらみ係数とするならば、わたしのそれは1を超えているのです(面倒な話だ)。なにしろ生まれてすぐに七歩歩いて右手で…

掘ったり沈んだり

そのうちに見に行こうと思ってた利根川の開削地点。むろん行ったところで、いかにも利根川という感じの高い堤防がひたすら続いているだけで、それはそれで見ものと言えるかもしれないけれど観光地的な何かは無いです。でもここをブチ抜いたことによって生ま…

その古墳入るべからず

古墳。しばしば山とか林とか田んぼの中にある。ほんとのただの山ならまあいいかって気もするけれど(それとて微妙だが)私有地かもしれないところは入っていいものかどうか。 ▲寺谷銚子塚古墳は林の中 近くで見て葺石がとか段築がとか、やりたいじゃないです…

糸静線のむこうへ

糸静線を越えたい。というのが最近の休日にどこか行くときのキーワード的なやつなのである。別に深刻な話ではなくて、日常(さらに限って言えば、仕事)からできるだけ遠いところに逃げたいということです。はたらきたくないだけ。 じゃあ逃げるってのは、ど…

かわいいあの子は摩利支天

秋が来たら白河関を越えようと思っていた。能因法師の有名な歌ですけれども、これがなんか、気になっていた。 都をば霞とともに立ちしかど秋風ぞ吹く白河の関 山を越えて平野に下りてきて、色づいた黄色い田んぼの稲穂が揺れる、村があり家があり、古い関の…

古墳がギュッ☆とクビれたら

宮崎は古墳が多い。なんでかは知らないけど、ともかく多いので、衛星写真をご覧ください。たいへんワクワクします。 ▲西都原古墳群第2支群 ▲西都原古墳群第1支群 ▲持田古墳群 ▲川南古墳群 (ヤバさに気づいてしまったあなたはもう終わりだ……古墳見物に行くし…

血尿記

こんな本を読んでおりました。大人になるとはどういうことか。むろん生物学的にはすでに大人だけれども、社会的に・精神的に・心構えとして、いかにあるべきか。 歳を取ってくるにつれて、最新のコンテンツを空気のように吸い込めなくなるのです。 (- 「若…

古墳の同人誌を作っています

古墳本です。現代社会を歩いているとわりと唐突に出現する古代遺跡。ヘンな構造物なのに人間の生活に溶け込んでいる。やたら数が多い。という妙なおかしみにスポットを当てるのがコンセプト。ほとんど写真だけです(たぶんサボったわけではない)。申し訳程…

大きなぼたもちの下で

ぼたもちを食いたい欲求が日に日に高まる。 ぼたもちを食べたい— ハマジu (@Hamaji_U) 2018年3月17日 我が家では年に一度はぼたもちを作る会が催され、ゆえに年に一度はぼたもちをたらふく食べていたために、大人になっても年に一度はぼたもちを食べたくなる…

それでもガラパゴス

日本海をのぞむ崖の上の古墳群。日本海からの風雨で削られていまはもう土盛がなくなっているけれども石室の材は残ってます。ここ好きなんですよね。年に一度は来てる。何かというと、地の果て、この先にはユーラシア大陸、古墳時代にあっては先進文明をもた…

古墳の上は鹿だらけ

奈良公園の背後にある若草山の山頂に前方後円墳があって、奈良公園なので墳丘上でフレンドリーに鹿とふれあえます。全国を調査したわけではないけれど、鹿の多さでは日本最多級の古墳に違いない。 この鶯塚古墳。全長103mで葺石があり(裾のあたりはそれらし…

伊勢原の鎧塚

鎧塚みぞれ先輩(鎧塚みぞれ - Google 検索)といえばアニメ史上数多い無口キャラの中でもなお麗しき美少女である。という、唐突に出てきたのは鎧塚古墳という名称から連想しただけのことで別段に意味はないです。 しかしついでに思いついたことには、鎧塚と…

生まれ来る古墳マニアのために

よくひとりぼっちで旅をしている。というのもひとりぼっちで旅をするのが好きだからなのだが、いつも必ずそうであるわけではなく、十回に一回くらいは誰かと一緒である。ちゃんと誘ってくれる人がいるので意外と完全ぼっちではない。じつにありがたいことで…

首の皮一枚を繋ぐ橋

今回ご紹介する古墳はこれです。 道路である。 もう少し具体的に言うと、あの歩道橋のある場所が古墳である。 しかしそこは道路があるのみ、何もないように見える。古墳マニア、古墳が好きすぎてついに虚空をすら古墳として愛でるようになったのか。狂気にち…

君の名は无利弖。

▲これがあの有名な江田船山古墳…… 文字について考えてみたら、現在ってかつてないほど文字の時代だなあと思ったのである。Twitterで放っておいたらどんどん文字が流れていくし、最近は画像や動画や音のコンテンツも増えてるけどそれにしても文字情報ゼロって…

石室に入って撮る写真

古墳の石室ってピラミッドや兵馬俑に比べると古くはないし小さいけれども、近くていつでも行けるし、ちゃんとした古代遺跡である。1500年前に造られた石組みの建造物に無料出入り自由で写真OKってヤバないっすか? って思うけどあんまりヤバさは伝わらないみ…

築け!ゼンポーコーエンフン

終わってしまった……。 ユーフォニアムのアニメ終わってしまったので週に一回の楽しみがなくなってしまった— ハマジu (@Hamaji_U) 2017年1月9日 週に一回、仕事が終わった後の家に帰るまでが楽しかったのは久しぶりだった。第1期が終わった後に原作全部買っ…

古墳サイドビューの新しい道具:Lumixのパノラマ機能

古墳は真横から見るのが良いのではないかという謎理論に基いて、綺麗にサイドビューを撮るべくいくつか試みてきたのであるが↓ 最近買ったカメラのパノラマ機能が意外と使えることに半年ほど経ってようやく気づいたので書いておこうと思います。カメラについ…

田んぼにそそり立つ例のアレ

アレとかソレとか言うのも何だし、有り体に言いますと、チンコの話をしようと思う。 チンコと言えば小学生男子の笑いのネタとしては鉄板で、ウンコと双璧である。とりあえずチンコって言っとけば小学生男子はゲラゲラ笑い転げるのだ。そう言えば小学生の時読…

富山と福井:二つの円墳

古墳に行くというのは二通りあって、古墳見学メインで出かけるときもあれば他の用事のついでに行くこともある。ついでのときは周辺に古墳がないか当たりをつけておくこともあるし、適当に散歩してたら偶然見つけてしまったりもする。どっちにしても、古墳の…

土器を抱えて運びたい

出光美術館の展覧会に行ってきました。 開館50周年記念 東洋・日本陶磁の至宝 ―豊麗なる美の競演(トップページへのリンク) 展覧会のテーマからは逸れるのだけど、途中に展示されてる弥生土器でウヒョーってなった。照明の当たり具合が絶妙なのか、理由はよ…

数字の入った名前

数字の入った名前って、いいなと思ったの - 大きな鳥にさらわれないよう(川上弘美、講談社) 古墳時代が終わりに近づくと、それまでは大きな墓を造ることがなかった階層の人々も古墳に葬られるようになり、彼ら多数の墓は各地に古墳“群”として現代に残って…

買い換えたカメラのこと

少し前に新しいカメラを買いました。中古だけど。GX8。 panasonic.jp 世の中に初めてミラーレス一眼が登場したころは、デカいレンズ着けたカメラを顔の前に掲げて画面を見ながら撮るスタイルがなんだか「ダサい」という感じだったのだが、ミラーレスが売れに…

東田子の浦駅周辺のふたつの古墳と浮島ヶ原について

東海道本線の静岡県内区間といえば各駅停車で東西へ通過する向きにはある種の難所として有名(↓) https://www.google.co.jp/#safe=off&q=18%E3%81%8D%E3%81%A3%E3%81%B7%E3%80%80%E9%9D%99%E5%B2%A1%E7%9C%8C) だが、古墳趣味者にとっては必ずしも面白みが…

国分寺の瓦の色

地方の大きな古墳を見に行くとわりと国分寺跡が近くにある。ような気がする。なんで古墳と国分寺が近くにあるかというと、(たぶん)大きくて見ごたえのある古墳がある場所は古墳時代には県庁所在地的な都会だったはずなので、それから二百年くらい後の奈良…

古墳上のハタケ

畑の中に古墳があるというか、古墳そのものが畑になってるオモシロ風景を初めて見たのは去年のこと。遺跡そのものが現代人の生活空間になっている。。 http://milkdebussy.tumblr.com/post/108070511769/巻野内石塚古墳 土盛りはそのまま残っているけれど、…

ガルパン(の舞台の大洗にある古墳)はいいぞ

ガルパンの映画を見ました。去年の年末のこと。別に感動のストーリーが売りってわけではないし、美少女と戦車の組合せは奇抜だけどそれ自体はまあそんなもんかなあってくらいで(ミリタリーは特に趣味ではなかった)テレビシリーズが始まった当初も興味がな…